本日の症例は、左のお尻に鈍痛を感じる60代女性のケースです。
以前から、慢性的にこの痛みを感じていらっしゃいました。
現在も仕事をされているのですが、疲れがたまると、より痛みを感じるということでした。
確認のための可動域テストをすると、左の股関節の動きに制限があり、動かした時に、いつも感じる鈍痛も確認できました。
この方は、股関節の変形や、先天性の股関節脱臼もありません。
今回の施術は、この股関節の可動域を改善し、動かした時の痛みを無くすことを目的に行いました。
触診すると、骨盤と股関節をつなぐ、『梨状筋』という筋肉(左側)が、硬くなっています。
そこで、指圧でここを中心ほぐしていきます。
その後、股関節と骨盤をそれぞれ調整すると、可動域も広がり、痛みもなくなりました。
2週間後に来院され、お話を伺うと、『一週間くらいは良かったが、その後徐々に、お尻に重い感じがしてきた』ということでした。
再び可動域のテストをすると、前回よりはいいのですが、可動域の制限が出ていました。
そこで、今度は歩き方を確認しました。
そうすると、左足に重心がかかった歩き方でした。(左足の方が地面についている時間が長い状態です。)
つまり、普通に歩いていても、左足~お尻の筋肉が疲れやすくなります。
こういう場合、立っている時も、左足に体重がのっていることが多いですね。
その結果、普通に生活していても、右より左の筋肉に負担がかかります。
今回の施術では、股関節の可動域の改善に加え、歩き方が良くなることを目指して行いました。
この場合、骨盤、股関節はもちろん、足部や上半身へのアプローチも必要です。
施術後、歩いてもらうと、歩行に改善がみられました。
しかし、カラダの使い方の癖は、すぐには直りません。
そこで、硬くなりやすい梨状筋のストレッチ法をお伝えし、毎日やっていただくようにお願いしました。
それから、2週間後。
前回までのような鈍痛はまだ出ていないということでした。
ストレッチも続けていただき、立ち方も時々意識していただいていたようです。
その後も、ひと月くらいの間隔で、定期的に施術させていただいていますが、鈍痛は出ていません。