むくみ 原因とメカニズムを解説

症例・症状ブログ

「むくみ」でお悩みの方は少なくありません。

そのせいか、テレビでもネットでも雑誌でも、いろいろな情報が出回っています。

 

基礎的な知識があるだけで、いろんな情報に振り回されなくてすみます。

 

そこで、浮腫みのメカニズムを出来るだけシンプルに解説しますね。

 

むくみってなに?

むくみの元は血液

浮腫みっていうのは、血管の外の組織に水分が溜まった状態です。

じゃ、その水分ってなんなの?って思いますよね。

この水分、正体は血液です。

血液から組織に滲み出た水分が、浮腫みになります。

 

そもそも、血管から組織に水が出るって何?って感じですよね。

漏れてんの?Σ(・□・;)って。

でも、これ普通に私たちの体内で行われていることです。

 

血管から水分が滲み出ることで、細胞にみずみずしさと栄養を届けているわけです。

これがなくなったら、干からびちゃいますから。

 

でも、この量が多すぎるっていうのが問題です。

これが、浮腫みですね。

 

では、なんで量が多くなっちゃうか。

むくみに関係する血管の特性とは

それには、血管の特性が関係しています。

 

心臓から勢いよく出た血液は、動脈→毛細血管→静脈→心臓っていう順番でグルグル循環してますよね。

この毛細血管のあたりで、血管とその外の組織とで、水のやりとりをしています。

 

やりとりですから、滲み出る一方ではありません。

ちゃんと戻っても来ています。

 

このやり取りが正常できていれば、浮腫みません。

逆に、このやり取りで、滲み出る量が多いか、戻ってくる量が少ないと浮腫みになるわけです。

 

引用;http://www.赤ちゃんようこそ.com

 

 

ここまで、どうですか。

大丈夫そうですか?

 

次いきますね。

むくみの原因は3つ

血管から組織に出て行く水の量が多くなる

心臓から勢いよく送られてくる血液は、血管の中から外へ出ようとする圧力がかかります。

ホースに小さな穴を開けて、蛇口いっぱいに捻ると、少し外に漏れますよね。

その力は、動脈で強く、静脈では弱くなります。

 

でも、心臓にトラブルがあったり、働きが悪くなると、心臓に血液が戻れなくなります。

送り出す働きが弱くなると、循環せず、滞っちゃいます。

 

ホースの出口を塞ぐと、ホースの中がパンパンになりますよね。

そして、小さな穴からも水がたくさん出るじゃないですか。

あんな感じですかね。

 

血液の中のタンパク質の量が少なくなる

先ほど書いたように、毛細血管は水のやりとりします。

ですが、タンパク質は通しません。

これが大事なポイント。

 

急にタンパク質とかなんや?っていわず、もう少しお付き合いを。

 

血管の中には『アルブミン』っていうタンパク質があります。

でも、血管の外に滲み出た水にはありません。

 

ということは、血管の中の方が、アルブミンの濃度が高いわけです。

そりゃそうだ。そもそも血管の外にはないんだから。

 

この濃度が高いと、それを薄めようと水が戻ってきます。

その作用で、一旦滲み出た水が、また血管の中に戻ってくるとういことです。

これを専門用語で、『膠質浸透圧』っていいます。

 

これが、正常の働きですが、血管のなかのタンパク質が少なくなったら、さあ大変。

タンパク質の濃度も低くなりますから、水の戻りも悪くなります。

 

滲み出た量に対して、戻る量が少なくなるので、これまた浮腫んでしまいます。

 

では、タンパク質(アルブミン)が少なくなる原因はというと

 

1:肝臓の病気や栄養失調で、アルブミンを作れない。

2:腎臓の病気で、尿にアルブミンが出て行ってしまう。

 

さっきは心臓。

今度は、肝臓と腎臓。

浮腫みといっても、そのメカニズムいろいろなんです。

 

そして、これらは、きちんと病院で見てもらいましょう!

 

リンパ管の働きが悪くなる

これは、私たちマッサージ師で対応できる部分です。

特にオイルマッサージが適しています。

 

水が滲み出る量と戻ってくる量では、滲み出る方が少し多くなっています。

組織を潤すにはそうする必要があるんです。

 

で、ちょっと溜まりすぎたなぁって時には、リンパ管が汲み出して、血管に戻してくれています。

 

「リンパを流す」とか「リンパ液」とか言われているのは、溜まった水がリンパ管に取り込まれたものをいいます。

 

身体の疲れなどが溜まると、この働きも低下します。

オイルマッサージが効果的なのは、リンパ管の詰まりをとり、組織の水をリンパ管に届けるのが得意だからです。

 

オイルマッサージでリンパの流れをよくした後、バンテージで圧迫することで、より浮腫みが取れやすくなります。

 

疲れが溜まると浮腫みになりやすい方は、オイルマッサージを試されてはいかがでしょうか。

 

 

どうですか?

浮腫みの全体像がイメージできましたか?

 

基礎知識としては、これで十分だと思います。

この知識があれば、ネットや雑誌を読んでいても、鵜呑みにすることなく、自分である程度判断できると思います。

 

参考文献   こわいもの知らずの病理学講義    仲野徹